スズカハウス(福山市)の住宅建築に関する 本音トーク  
家を建てることを決めると、いろんな情報があふれていることに気づきます。多くの業者は、専門的な言葉で、なんとなくいいイメージを抱かせようとあの手この手で、心をくすぐります。「外断熱」「杭」「地盤改良」「免震構造」など、何となくいい家になりそうな言葉を、並べ立てます。しかし、残念ながらその中には、いい加減な情報や間違った情報が、数多く見られます。

いい家を建てるためには、多くの情報や魅力的な言葉に踊らされることなく、自ら何が正しい情報なのかを勉強しなければなりません。なぜならば、一見よさそうな多くの話にも、誤った情報が沢山あるからです。
SUZUKAは、専門的なことをよりわかりやすくご説明し、より深い確信を持った情報をご提供しています。
建築に関する疑問点やご不安なことがありましたら、いつでもお気軽にご相談下さい。


家を建てる計画をされている方に、知っておいて頂きたいことを、徒然に書いてみます。

1. 土地を買うときにはこんなことも考えて見ましょう。
2. 戸建にする? マンションにする?
3. 地盤調査のSS試験って何? --- データの見方は?
4. 
基礎補強としての、鋼管杭や地盤改良は効果があるの?
5. 木の家の特徴は?
6. 内部結露
7. 外断熱って本当にいいのでしょうか?
8.  シロアリは、発砲ウレタン断熱材がお好き?   

 1. 土地を買うときには、こんなことも考えてみましょう ?  (2006-2-15)

■土地は資産です。土地を買うということは、定期預金をするように、お金を土地に変えておくようなものであり、それゆえ、いざというときには、土地を売ることができるもののほうが価値があるといえます。ご家族に、予期せぬ事故、病気、失業など人生のピンチが訪れる可能性があります。その時、後から売れないような土地は、今いくら安くても、安心できる資産にはなっていないということです。

仮に、2500万円の南向きの四角な土地A50坪と、1000万円の北向きの変形土地B35坪があったとしましょう。予算的に無理だということで、土地Bをもし買ったとします。その上に、1500万円の家を建った後1年後に、事情があって売りたいと思っても、恐らく売れないか売れたとしても(買いたい人が少ないので)土地建物で500万円位にしかならないでしょう。すなわち、土地1000万円+建物1500万円合計2500万円が500万円の価値にしかならないわけですから、2000万円の損をするということになります。
一方、土地A(2500万円)に1500円の家を建っていた場合には、同じケースがおきた場合、恐らく3000万円以上で売れるでしょう。その土地がほしい人が多い場合には、そんなに値を下げなくても買い手はつくからです。つまり、4000万円-3000万円の1000万円のマイナスですむということです。

また、30年後、つまり家の価値がなくなってから売るとしても、土地Aは売れますが、土地Bは売れません。仮に、土地Aが値上がりするようないい場所であれば、2500万円が4000.万円で売れるかもしれません。
つまり、土地Aを買っておけば、土地を売った後、例えば老後にマンションが買いかえることができるかも知れませんが、土地Bを買っていたら、さらに借金をしてマンションを買わなければならないということになります。


土地の見方・選び方については、こちらをご参考にしてみてください。
 2. 戸建にするか?マンションにするか迷われている方へ (2006-2-15)

どっちがいいのでしょうか?この質問は、よく耳にします。
昨今、新築のマンションは、2000万円の前半で買えるものもあるようです。20代・30代の若いご夫婦の場合には、@町内会などの付き合いが必要なく、近隣の気がねのない生活ができること。A生活に便利な場所で、都会的な生活ができること。B予算が比較的手ごろで、資金計画を立てやすいこと C鍵一つかければ外出できることなどの理由から、マンションを選ばれる方が増えているようです。
しかし、ちょっと待ってください。住宅を考える場合には、子どもができたり、自分たちが年をとっていく10年後・20年後・30年後のことを考える必要があるのではないでしょうか? 次のようなこともお考えになられてはいかがでしょうか?

(1)子供の成長への影響を考えましょう。
子供が幼稚園・小学校に入ると、友達が家に遊びに来ます。戸建であれば、家の外に出て遊ぶこともできますが、マンションの場合には、子供が家の中でゲームなどして遊びがちになります。マンションの場合、子供が小さい場合には、エレベーターで一人で乗り降り出来ない(特に、上層階のボタンに手が届かない。)ことから、友達との交流がしにくく、子供たちの間で自由に遊ぶことが難しくなります。 また、戸建て持ち家の場合には、音や広さの問題をあまり考えずに、お友達を家に呼ぶことが出来て、自宅でも遊べるので自ずとお友達たちの中でのリーダーシップを取れるようになれます。ところが、アパートやマンションでは狭かったり不便だったり庭がないことから)友達の家に行くのが主となり、リーダーシップを取り難くなるという研究結果もあります。

(2)資産としての価値を考えましょう。
マンション価格は、建物部分と土地の持分部分の評価の合計です。戸建の場合には、土地の金額と建物の金額が半々位となりますが、マンションの場合には、土地の部分は10分の1以下となっています。10階建てであれば、同じ土地に上に10世帯が乗っかっているわけですから、一世帯あたりの価値は10分の1以下になるわけです。事実、固定資産の評価額を見ると、駅近辺のマンションでもその土地部分の評価金額は200万円以下となっています。しかも土地だけを売ることはできません。一方、戸建の場合には、家が古くなっても、土地だけは、価値があまり変わりませんから、土地だけを売ることができるのです。

例えば、@2500万円のマンションを取得する場合と、A3500万円(土地1500万円、建物2000万円)の戸建住宅を取得する場合を比べて見ましょう。 30年後を想定すると、@のマンションは、価値(市場で売れる金額)がほとんどゼロ(10年後でも1000万円ほどに急激に下がります。さらに、その30年の間にも、マンション修繕費として、何百万円も必要です。(積立8000円/月×30年=288万円プラス大規模修繕一時金数十万円が10年ごと) 戸建のAの場合には、建物の価値はほぼゼロとなっても、土地1500万円はそんなに変化なく、取得価格に近いかそれ以上で売れるのです。もちろん、土地を子供たちに残してあげることも出来ます。 つまり、土地は保持している限りは永遠に資産として残るのです。

(3) マンション資産は次世代のお荷物??
マンションは 30年後にはほとんど価値がなくなってしまうので、子どもに残す資産とはなりません。それどころか負担やデメリットがたくさん生じてきます。建て替えとなるとマンションの管理組合で住人が計画を立てて負担金を決めて建てかえることになりますが、問題は、その話し合いが大変難しくなるということです。なぜなら、価格が下がったときに安い金額で買って入ってくる(引っ越してくる)人が話し合いに入らないケースが多いからです。後から安い金額で入ってきた住人は、もともと建てかえるための負担に応じられるだけの経済力がない人が多いからです。15年以上経つといわゆる不良住人も増えていくので、住環境も急激に落ちていきます(現実、チンピラ風の人や働かない人が住み着いてガラが悪くなってしまっているマンションもあります。)

 3. 地盤調査のSS試験って何?

地盤の強度が求められるのは、木造住宅よりもはるかに建物荷重が重い重量鉄骨造や擁壁を新設する場合です。その場合には、正確なデータが必要なので、はボーリング調査をして地盤の強度確認をします。しかし、ボーリング調査は、通常 30万円以上の費用が必要であるため、一般戸建て一般住宅の地盤調査では、スウェーデン式サウンディング試験(以下 SS試験という簡易地盤調査)を用いて、その結果をもとに算出した「換算N値」を利用した地盤の診断や地盤改良の設計が行われるのが通常です。

正式なボーリング調査(標準貫入試験)では、おもりの打撃により「N値」というものを算出しますが、SS試験(簡易試験)では荷重をかけたロッドをねじ込むことによって「貫入抵抗値」を求めます。SS試験では、「推測するN値」を試験結果から算出するというわけです。

SS試験から換算式によって「推定されたN値」は、換算N値といいます。地盤調査の実施にあたっては、N値を求めることだけではなく、地盤を構成する土が何で、どのような性質を持つのか、を調べることも大変重要です。戸建て向けのSS試験では、土を大きく「粘性土」と「砂質土」とに大別して、それぞれの換算N値を調べることによって土の判断の目安としています。

●換算N値グラフの解説
 1.土質は粘性土か砂質土か、
 2.軟弱な値がどの深さで現れているか に注目します。
※赤色の線、文字は解説のためのものです
N_graph04.gif (35862 バイト)

N値が3.0以下の層が設計GLよりどの深さにあり、その層の厚みがどのくらいかが自沈層を判断する一つの重要なポイントになります。

木造の場合、建物荷重の影響を受けるのは、GLから約2mの地下なので、地下2mまでのN値の値が最も大切ですが、地下2m以上の深さのN値も参考にしながら地盤補強の方法を判断します。しかしながら、スウェデン式サウンディング調査は簡易な調査のため、立地条件・周辺の状況やその土地の昔の用途なども考慮することが大切です。


回転数が0と言うことは、なにもせず、100kgあるいは75kgの重りだけで、沈下していく状態。
一般に、この状態の地層がある時を軟弱地盤といい、地盤改良や杭工事等の地盤補強対策が必要になってくる。

 換算N値2.0以上 ---- べた基礎
     ● 換算N値3.0以上  ---- 布基礎でも良い

   ※ 地盤調査書の見方(外部サイト) 


 4. 鋼管杭や地盤改良をすすめられますが、どのくらい効果があるのでしょうか?  (2006-2-22)           ページトップへ
この話をする前に、A.軟弱地盤対策の種類とB.地盤の特性をまずは知っておきましょう。

A.軟弱地盤対策の種類
不同沈下を招く軟弱地盤対策として単純に考えられることは、家を軽くする、基礎(ベース幅と強度)を強くする、硬い支持地盤まで杭を打つ、地盤を改良工事する、などがあります。これらを、地盤の軟弱度との関係でみてみると、、

 @ 家を軽くする(鉄骨造やRC造を避け木造にするとか、軽い材料で,基礎底面を広くし単位面積あたりの荷重を小さくする。)→やや軟弱な地盤

 A 基礎ベースを広げてダブル筋などで剛性を強くする(ベタ基礎にする。)→軟弱な地盤

 B 硬い支持地盤へ杭を打つ(鋼管杭・PC杭など)→超軟弱地盤

 C 地盤を改良工事する(表層改良・柱状改良工法)→軟弱地盤

となります。では、それぞれについてもう少し詳しく対策方法を見ていきましょう。


B..地盤による地盤対策

やや軟弱な地盤対策

○荷重を軽くする

やや軟弱な地盤に対しては建物を軽くしたり、基礎の接地圧を軽減したりします。接地圧を軽減するためには、布基礎のベース幅を広げて、基礎が地面と接するベース面積を広くします。それによって基礎から地盤に伝わる荷重が分散され、実質的に軽くなります。
 荷重が分散されると、地盤がもっている耐力と同等の荷重まで接地圧が減少し、圧密は進行しなくなり沈下を阻止できます。

 しかし、ベース幅を広げても接地圧の減少には限度があるということを知っておくことが大切です。一般的な住宅の場合、接地圧が1平方メートル当たり3トン以上なので、基礎幅を拡張しすぎると、基礎が重くなりすぎてそれ自体の重さで圧密や沈下がおこる可能性があります。
 2階建てを3階建て増築したり、重心の偏った建物を建てても沈下や不等沈下の原因となります。家の中の家具などの家財が偏った荷重である場合や、限度を超えた積載荷重をかけたりした場合にも、沈下することがあります。

大切なことは、荷重バランスのいい家を計画するということです。できるだけ一階部分が真四角で、総二階に近い形が、基礎に伝える荷重バランスがよくなります。
木造においては、建て方としては荷重を均等に分散する
壁式工法(ツーバイフォー)の方が、基礎へ伝える力が分散されるので、より良いと言えます。

軟弱な地盤対策
旧建設省建設経済局民間宅地指導室1989の「軟弱地盤判定の目安 多地区防災マニュアル」によると、軟弱地盤判定の目安を地表面下10mまでの地盤に次のような土層の存在が認められる場合としています。
@ 有機質土・腐植土
A 
粘性土で、N値が2以下(標準貫入試験)、若しくは換算N値が3以下(スウェーデン式サウンディング試験)
B 
でN値が10以下(標準貫入試験)、若しくは換算N値が5以下(スウェーデン式サウンディング試験)

福山市内特に南部エリアでは、このAにあたる場合もありますが、通常は換算N値が3以上の土層が地盤面から2mはあるためベタ基礎または、ベタ基礎+表土改良の対応で大丈夫です。(ただし、地盤調査が必要です。)

1.基礎の剛性を強くする

 自分の土地が軟弱地盤だと判明した場合、もし沈下が起きたとしても沈下を均等化することで、被害を食い止める措置がとれます。それは基礎の剛性を強めるという方法を用います。剛性とは物質がどのくらいたわむかという性質のことで、同じ建材でもちょっと押してたわむものは剛性が小さく、その逆は剛性が大きいといいます。
 基礎の剛性を強くするには、基礎を構成する部材を厚くしたり、基礎の中を通っている鉄筋の太さや本数を増やしたりします。これによって基礎のたわみが小さくなると、地盤の荷重が沈下部分に集中せず、分散・均等化されます。つまり、不同沈下を起こしにくくなるということです。

2.ベタ碁礎で軟弱地盤に対処

剛性を補強する典型的な例はベタ基礎と呼ばれる基礎です。建物の真下の全面を一体のコンクリートで受けるもので、水平方向に網目状に鉄筋が入るので、通常の布基礎に比べて大きな剛性が得られるようになります。
 ベタ基礎は沈下を均等にする効果があるため、
よほどの軟弱地盤でないかぎりは、ベタ基礎が効果的だといえるようです。


超軟弱な地盤対策

1.地盤改良による対策

 地盤そのものを変えずに基礎を安定させるためには、基礎のベース幅を広げたり、基礎の剛性を高め基礎を軟弱地盤用に仕様変更する方法がありますがこれらは軽度の軟弱地盤では有効でも、かなりひどい軟弱地盤では有効ではありません。
重度の軟弱な地盤に対しては地盤の土自体を固めてしまい、不同沈下の原因となる圧密現象そのものを抑え込んでしまう対策が採用されます。
 この方法にはいくつかの工法がありますが、戸建住宅で一般的に利用されているのがセメント系固化材で土を固める表層改良工法と柱状改良工法でしょう。

表層改良工法というのは、基礎下1m、家の基礎より1m位大きく地盤を改良する方法です。軟弱な土と混合撹拌するだけで硬化するソイルセメントという固化材を使って、基礎下をコンクリートのように硬くします。柱状改良工法というのは、軟弱な土と混合撹拌するだけで硬化するソイルセメントという固化材を使って、基礎下の地中に柱状の抗体をつくる工法です。普通のセメントは土と混ぜ合わせても硬化せず、砂利と砂を適量配合しないと使用できません。ただし、この柱状改良工法は地下 8m以上のあまり深いところまでやっても効果がありません。軟弱地盤が深度2〜8m程度)の場合に、直径50〜60cmの軟弱層と同じ長さの改良土の人口柱を地中に造り、その上に通常の基礎を組みます。8mを越える深度には、既製杭(鋼管杭やPC杭)が用いられます。

2.鋼管杭による対策

最近ではよく用いられますが、通常15mまでの深度を越えたところにN=20の支持地盤がある場合に効果的です。
福山の南部では、沖野上町・多治米町位までであれば鋼管杭は効果的です。通常は、建築面積(1階)約20坪の大きさで150万円位が概算予算です。ただし、
川口・新涯・曙・水呑の一部、引野・深津などでは、支持地盤まで深度15m以上20m近いので効果的ではない場合が多いのです。
気をつけていただきたいことは、そういう場所でも、多くの住宅メーカーは、鋼管杭工事を勧めています。無駄な工事であっても、少しでも契約金額を上げるために、杭工事を勧めることがありますので要注意です。

ではそのような場合にはどうしたらいいのでしょうか? 軟弱地盤が15mを越える場合には、
鋼管杭よりも家のバランスと荷重の分散を考える方が大切です。絶対に間違いない方法だとはいえませんが、ベタ基礎もしくは、地盤改良+ベタ基礎で、荷重の分散を図る方が鋼管杭よりもベターな方法であといえます<下記参考資料2を参照>。
SUZUKAは、無駄な工事をお勧めしません。地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験やボーリング試験など)をきちんとした上で、
杭工事が必要かどうか有効かどうかを厳正に決定します。


<参考資料 1 地盤補強の目安>

不同沈下を防ぐためには、建物の構造と地盤の強さ(地耐力)によって、基礎と基礎補強を選ぶ必要があります。
一般的な基礎形式は、家の構造と規模によっておおよそ以下表のようになります。
いわゆる軟弱地盤の場所(埋立地や河川の近くなど)、では、地耐力3トン以下の場所があるので、地盤調査や近隣のデーターをよく確認する必要があります。下記は一般的な一応の参考となる資料です。

木造 建築面積 15坪 延べ床面積 30坪の家は、 30〜40トンの重量
家の重さ
(自重+積載荷重)
軟弱地盤
(地盤が非常に悪い)
地耐力3トン
(地盤が悪い)
地耐力4トン
(地盤が普通)
地耐力5トン以上
(地盤が良い)
1階建 地盤改良、杭基礎 べた基礎 布基礎 布基礎
2階建 600kg./u 地盤改良、杭基礎 べた基礎 布基礎 布基礎
3階建 900kg./u 地盤改良、杭基礎 べた基礎 べた基礎 布基礎
鉄骨造
家の重さ
(自重+積載荷重)
軟弱地盤
(地盤が非常に悪い)
地耐力3トン
(地盤が悪い)
地耐力4トン
(地盤が普通)
地耐力5トン以上
(地盤が良い)
1階建 地盤改良、杭基礎 べた基礎 布基礎 布基礎
2階建 800kg./u 地盤改良、杭基礎 杭基礎 べた基礎 布基礎
3階建 PC杭基礎 杭基礎 べた基礎 べた基礎
鉄筋コンクリート造
家の重さ
(自重+積載荷重)
軟弱地盤
(地盤が非常に悪い)
地耐力3トン
(地盤が悪い)
地耐力4トン
(地盤が普通)
地耐力5トン以上
(地盤が良い)
1階建 地盤改良、杭基礎 杭基礎 べた基礎 布基礎
2階建 3,200kg/m2 PC杭基礎 杭基礎 杭基礎 べた基礎
3階建 PC杭基礎 杭基礎 杭基礎 杭基礎

 ※鉄筋コンクリート造3階建の場合、地耐力8トン以上であれば”べた基礎”、8トン以下ならば”杭基礎”となります。

<参考資料 2 家の重さ>


建築基準法では、建物の構造と用途によって、建物の自重(建物本来の重さ)と積載荷重(乗せて大丈夫な荷重)が定められています。

福山市内特に南部エリアでは、支持地盤が15m以上もあり、通常の鋼管杭では、3本継ぎとなり、効果はあまり期待できません。換算N値が2以上の土層が地盤面から2mあれば、ベタ基礎または、ベタ基礎+表土改良の対応の方がベターだと考えられます。(ただし、地盤調査が必要です。)

費用面でも、鋼管杭だと、15坪で、120〜150万円、
地盤改良であれば、その半額位です。

構造

自重+積載荷重

建築面積15坪の建物全体の重さ これは、目安となる重さです。
自動車でいえば自動車の車両重量と、積載する人や荷物の重量(積載荷重)を合計した総重量を表しています。

木造2階建

600kg/m2

30t

木造3階建

900kg/m2

45t

鉄骨2階建

800kg/m2

40t

RC造2階建

3,200kg/m2

160t

基礎の違いによる基礎への荷重のかかり方・・・・木造総2階建て延坪30坪の建物で、30tの重さを仮定

基礎の負担過重は次の式で計算出来ます。
建物の荷重/基礎の長さ=基礎1m当たりの負担する重さ


A外周基礎の場合…30t/30m=1t/m
B布基礎の場合 …30t/40m=0.75t/m
Cベタ基礎の場合…30t/50m=0.6t/m


つまり、布基礎は、単位面積あたりの長さが多いほど建物の荷重は分散し、べた基礎は最も効果的に建物の荷重を地盤全体に分散することができます。
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4. の家のよさは、木の特長を知ることから・・・ 木は日本の風土のみならず人にあった建築材料です。

(1)耐震性

    @ 地震に強い木の家。

地震によって建物が受ける振動エネルギーは、建物の重さに比例して大きくなります。重いコンクリートや鉄骨構造の建物に比べると、軽い木材でできている木造住宅は、受ける地震エネルギーがそれだけ少ないわけです。
鉄やコンクリートは、一見、木よりも強そうですが、重さ当たりの強度(比強度)で比べると、木材は
引っ張り強度で 鉄の約3倍、コンクリートの23倍
圧縮強度で 鉄の2倍、コンクリートの5倍、
曲げ強度で 鉄の16倍、コンクリートの400倍もの強さがあります。

日本のように地震の多い国では、
軽くて強い『木の家』がむいているのです。

(2)耐火性

    @ 燃えにくい木の家
     木造は火に弱い。おそらく大多数の方が、そうお考えでしょう。
     しかし、木はある程度の厚さがあれば表面が燃えることでできる灰化層によって、内部への酸素の
     出入りが遮断され、燃え尽きるまでにかなりの時間がかかるのです。

     火災実験で木材が燃える速度は、1分間に0.6〜0.8mm。30分燃え続けても1.8〜2.4cm。
     両側から燃えたとして、3.6〜4.8cmしか燃えません。火炎は出ますが断面減少速度が遅く、
     建物が倒壊するまでの時間が長いということです。
命を守るには一番適しているわけです。

     ですから、構造材を石膏ボードなど燃えにくい材質でおおって、防火対策をほどこせば驚くほど
     高い耐火性能
が得られるのです。木造ツーバイフォーは、まさに木造住宅の進化系だといえます。。


    A 鉄・コンクリートとの比較
     一般的に火災に強いと思われている鉄ですが、400度以上の熱が加わると、その強度は急激に低下
     します。5分後には強度が半分に、10分後で1/10に落ちてしまいます。
     これに比べて木は800度の熱にも耐え、20分たたないとその強度は半減しません。

     消防士の間で「消火活動では、木造住宅より鉄骨造りの方が恐い」といわれているのは、
     鉄骨の建物の方が倒壊しやすく、消火活動中、より危険がともなうためです。

     火災時の倒壊に対して、鉄骨構造の家よりはるかに抵抗力があるのが木造の家なのです。そして、
      木造ツーバイフォーは、準耐火住宅としてさらに進化した木造なのです。

(3)快適性
  
@熱と湿度のコントロール
     熱の伝わりやすさを示す値を、熱伝導率といいます。木材の熱伝導率は鉄の1/300
     コンクリートの1/10。他の構造材と比べて熱伝導率が低く、断熱性能にすぐれている点が大きな特長です。

     また、木は湿度コントロール機能もそなえています。たとえば、両壁に木の無垢板を使用した8畳の洋室で
     湿度を30%下げたとすると、木板から6リットル、1升ビン3本分もの水分が放出されるということが
     いわれています。また、校倉造りの正倉院は、この機能によって大切な宝物を1200年にもわたって
     守ってきました。このように木は、まさに天然のエアコン。私たちに快適な居住空間を提供してくれるのです。

    A防虫効果
      例えば、ヒノキに殺菌作用があることは昔から知られていましたが、これはヒノキが薬用成分のヒノキチオール
      持っているからで、そのほかにも消炎、鎮咳作用のあることがわかっています。
      また、ヒノキばかりでなく、多くの樹木は薬用成分を持っています。たとえば、樹木の発する香気には
      殺菌作用のあるフィトンチッドという成分が含まれています。さらに、このフィトンチッドには大脳の働きを
      活発にする作用もあり、伐採後も発散されることが明らかになっています。

     近年、ダニによる喘息やアレルギーが増えているのは、住宅の気密性が高まり、湿気が閉じこもって
     しまうことに原因があります。しかし、ダニは湿度52%以下では繁殖できないといわれていますから、
     木はその調湿効果殺菌作用でダニの発生を大幅に抑えることができます。

     ほかにも防虫効果のあるヒバ、ジフテリア菌に強いスギやマツ、そしてヒノキなどを土台、柱、梁など
     用途に応じて使い分ける木造住宅は、健康的で快適な住まいづくりを実現します。

(4)その他の機能
木の特性には、ほかにも人のからだに良い機能が沢山あります。
まず、目に優しい機能です。反射光が強いとチカチカして目が疲れますが、木や畳の反射率は人間の目に
最適な50%〜60%。
また、木は適度の吸音作用で音の反響を防ぎ、耳にも優しい住居空間をつくります。
木造の和室が人々の心を和ませるのもこうした科学的データに裏付けられたものなのです。

さらに床材としての木は衝動をやわらかく受け止めるばかりか、床の冷えからくる疲れを防ぐ効果があります。
コンクリートやタイルの床で疲れを感じるのは、熱伝導率が木材の8〜10倍もあり、足の温度を著しく低下させるからです。

こうした木の持つやわらかさ、温かみ、うるおいが人々の心をとらえ、「木の家」に対する根強い人気となっているのです。
6. 内部結露 --- ほとんどの家では、十分な対策ができていません。         ページトップへ    

内部結露とは、壁の中(外壁と内壁の間)や床下などみえない部分で起こり、土台や柱を濡らして木材腐朽菌や白蟻の繁殖を招き、知らない間に、いつの間にか家を腐らせる危険をもつ大変恐ろしいものです。在来工法で、高断熱・高気密の家では、この内部結露が起こる可能性が非常に高いと考えられ、深刻な注意が必要です。

実際、木造住宅を解体すると、在来工法の大壁の中は、木材が腐っていたり、黒いカビが繁殖していたり、シロアリが木を食べていたりして、構造的に非常に危ない状態のものがあります。

この内部結露は、室内で生活(人の呼吸や料理・燃焼系の暖房など)から発生したものが、隙間などから壁の中に入ってきて結露となったものだと考えられます。高断熱・高気密といっても、在来工法では、隙間が完全に防げませんので、施工レベルが低いと壁の中が大変なことになっている可能性があるのです。

壁の中の結露対策としては、「外壁の通気工法」と「外断熱工法」の二つの工法が防露対策とされていますが、実は以下の通りの理由から不完全だといえます。

図1は昔の住宅(20年以上前)一般的に施工されてきたものですが、壁の中にただ断熱材を入れてあるだけものです。室内の水蒸気は、内壁下地の石膏ボード壁の隙間や床板の隙間から壁の中に侵入して断熱材を透過し、防水紙にぶつかって行き詰まりますが、そこで冷やされて結露します。よく解体現場で壁の中のグラスウールの断熱材が黒く汚れているのを目にすることがあると思います。断熱材にカビが繁殖している状況で、行き場を失った水蒸気が結露を起こしていたことを示しています。特に、繊維綿状の断熱材であるグラスウールなどでは、繊維の中に水蒸気を溜め込み湿気が蒸発しにくいので、問題は長期的に継続することとなります。

この結露対策として指導されている通気工法は図2のように、室内の水蒸気を壁に侵入させないための防湿層をもち、それでも、僅かな穴(コンセント周りやシートの重ね部分)から侵入した水蒸気を、外壁と断熱材の間につくられた通気層から放出してしまう構造のことです。通気層には外気が流れており、水蒸気は結露する前に通気層に放湿されていきます。通気層と断熱材の間にあるのが防風層というもので、風も入れず、雨も入れませんが、水蒸気だけは透過させるものです。このように、通気工法というのは防湿層・断熱材・防風層・通気層といった具合に、湿気に対して、外側にいくほど開放する、という防露理論を実践したものです。

しかし、この通気工法にも一つ落とし穴があります。通気工法は室内から外にいくほど開放という防露理論にのっとっていますが、それは冬の場合の水蒸気の流れに対してであって、もちろん、室内でクーラーを運転した場合に限定されますが、近頃では24時間空調という住宅が増えてきたので、そんな環境があり得るのです。夏の外気はたっぷり水蒸気をもっており、その水蒸気が外から内に向かって防風層から断熱材を自由に透過し、冷えた防湿層のところで行き詰まります(図3)。

冷房の度合いによりますが、冷え方が大きければ結露しますし、そうでなくても壁の中の湿度は高くなります。こうした現象を「逆転結露現象」と呼んでいます。この逆転結露現象はあくまで冷房を運転した時だけの問題であり、冬のように常に危険な状態に比べれば頻度はずっと少ないのですが、木材腐朽菌は10以上になると活動を始めるので、夏場の高湿度状態の危険性は冬場よりも高いために、逆転現象をそう簡単に無視するわけにはいかないのです。

 最近の研究で分かってきたことは、水蒸気の発生源は外気以外にも、在来軸組工法では柱や胴縁の木の中から出る水蒸気によるもので、日中に日射を受けた壁が暖まることによってそうした木材から水蒸気が放出される「蒸し返し」現象が起こるというわけです。つまり、木材自体が持っている湿気も日中の熱で壁の中に放出され、壁の中を高湿度にします。
一方、ツーバイフォーの場合には、構造材がすべて乾燥材(含水率19%以下)なので、水蒸気もほとんどでません。

さて、そうした逆転現象も含めて、内部結露を防止するもう一つの構造が外断熱工法です(図4)。構造材の外側に発泡プラスチック系の断熱材を入れるというものですが、この問題点は、その外の外壁材の取付金具が長くなり、支点にかかる力が大きくなるので、外壁材が動いてしまう(長期的には、自重で外壁材が下がってくる)ということです。したがって、単なる外断熱工法にすると、長期的に心配しなければならなくなるわけです。そこで、外部の断熱と外壁を一体化できるものとして、ALC材が最適だといえるわけです。

結論: 以上の状況から、日本のように、夏と冬で環境が逆転する内部結露を防ぐためには、壁の内側と外側それぞれに断熱が必要であり、特に内部の断熱材には、室内の湿気を壁内部に入れないしくみが必要だと言うことがわかります。そして、外壁にALCを使用することによって、外断熱にもなり、夏に室内のクーラーによって生じる逆転結露を抑えることもできるということになります。

7. 外断熱は、本当にいいのでしょうか? 「外断熱」があぶない ! (2008. 1. 8)      ページトップへ
最近外断熱工法がブームになっています。しかし、本来「外断熱」という概念は、RC(補強鉄筋コンクリート)建物における断熱法の概念です。コンクリートは、熱の伝導率が高いので、外側で熱を断つ(断熱する)ことによって、内部結露を防ぐというわけです。コンクリート住宅においては、外断熱が大変有効(木造とは違いRCには、外断熱が必須)です。
しかしながら、木造住宅においては、実は外断熱工法は危ないのです。良識ある専門家や建築関係者の間では、「外断熱が危ない」ということは、以前から議論されており、専門的な指摘もされています。以下に簡単な説明をさせていただきます。

外断熱をPRしている会社は、より高断熱になるとPRしています。イメージ的には、断熱材ですっぽりと覆うから断熱性が高いという説明は、正しいようで納得してしまいそうです。ところが、実際は、通気工法の内断熱と大差はありません。では、どちらでもいいのでしょうか?
答えは、NOです。外断熱には、大きな欠点が4つあります。これは、建物にとって致命的な欠点だといえます。

@ 「外断熱が危ない」理由は、いくつかありますが、一番の問題は重い外壁を本体にしっかりと留めるのが難しいということです。断熱材を挟んで外壁を貼るので、直に柱に釘を打付けられず断熱材の厚み分、宙に浮く施工(ぶら下がっている状態)になります。「断熱材を外張りにすることにより、外壁材から柱などの躯対までの距離が非常に長くなる。よって、断熱材等をつなぎ止めている長〜い釘が外壁材や断熱材の重みに耐えきれなくなって落ちてしまうことがある」(「西方 里見著 外断熱」が危ない)
例えば、外壁がサイディングの場合、留め金具の長いものを使わないといけませんし、モルタルやタイルであれば下地の問題も有ります。少しでもいい加減な施工をしたら、外壁が下がってきて、最終的には剥離して崩れてくる可能性が大きくなります。実害はすでに出始めています(参考ページ
 

A 2番目に、シロアリ被害を受けやすいということです。外断熱工法は、通常、基礎の外へも断熱材を入れます(基礎・床下を別にした外断熱もあるようですが・・)。一見基礎まで断熱することは良いように感じますが
実はこれが大変問題なのです。断熱材で基礎を被ってしまうと、基礎・床下を年中シロアリの活動範囲にしてしまうことになるからです。通常、基礎と床下を断熱せず通気させることで、床下を乾燥した状態に保ち、かつ温度を抑えてシロアリが住めない環境をつくるわけですが、外断熱工法では、床下が年中シロアリの活動温度(10℃以上)になってしまいます。また、シロアリが家の木本体に上る通路(立上り基礎および土台)も乾燥低音状態に保つことで、万が一土の中にシロアリがいても、その通路を絶つことができているのですが、外断熱工法では、本来は上がってこない立上り基礎の側面に断熱材を設置するので、床下が年中シロアリの活動温度となり、また、基礎と断熱材の間が暖かくなって、年中シロアリの上がり道になってしまいます。実際に、実害もたくさん出ています。<下写真参照>  実例相談


B 3つ目に、高気密・高断熱住宅は室内で暖めた空気を断熱材で熱を跳ね返し室内を暖め温度を保つ原理ですが、断熱材と室内の間に空気層(通気層)がある為、せっかく暖めた空気がそこで冷たい空気と混ざりあって部屋に戻ってくるため暖房効率が非常に悪くなります。壁の内部まで暖めなければならない(先に壁内が温まらないと部屋まであたたまらない)ことになるわけです。<下図参照>また、夏には、家の断熱効果で室内の温度が上がるまでの時間は、内断熱より遅くはなりますが、反面、一旦暑くなった室内の温度は、ポットのようになかなか下がりにくく、夜中に室内温度が暑いままなので、夜に寝れないほど暑いという実験データーもあります。

C 4つ目は、コストが大きくアップするということです。某大手住宅メーカーの資料によると、5万円/坪以上もアップしています。実際のコストアップは、2万円/坪位ですから、これが利益を計上するための手段だということは想像がつく気がします。

以上のことを冷静に考えると、RC(コンクリート建物)において、結露防止のために有用な外断熱も、木造住宅では、「百害あって一利なし」と言っても過言ではないほど、気をつけなければならない工法ではないかと思うのです。
8. シロアリは、発砲ウレタン断熱材がお好き?(2009-6-5)
最近、住宅の断熱材として、発砲ウレタン充填材を使われているのを時々みます。確かに、この断熱材は、断熱性能が優れているので、データだけをみれば最適だと見誤りがちです。スズカハウスが発砲ウレタンを使用しない理由は、3.つあります。

一番の理由は、万が一の火災で断熱材に火が入った場合には、この材料は猛毒性の「シアン化ガス」を放出するということです。いくら性能が優れていても、人の命を守る住宅に、人の命を奪う可能性のある材料を使うべきではないと考えます。

二番目の理由は、環境に良くないということです。吹き付けられたウレタンは、下地材に密着して固定しますから、その後解体するとき、素材分別がとても大変な作業です。将来解体時に必ず問題となると思われます。子どもや孫の世代に禍根を残す可能性が高いということです。

三番目の理由は、ウレタン等の発泡系充填材はシロアリによる噛削を受けやすく、充填材内にシロアリが蟻道を生成した場合は、発見が困難になり被害が拡大する恐れがあります。たとえシロアリがくる可能性が非常に低い住宅でも、万が一を考えておく必要があります。ウレタン発砲材の中にシロアリの蟻道ができてしまうと、どこに広がっているのか全くわかりませんから、家全体の断熱材を全部除去しなければなりません。
(説明)

図のようにシロアリが上がってくる場合があります。
特に外断熱工法などで床下が暖かい場合には、施工の良し悪しで思わぬシロアリ被害を受けてしまう可能性が高まります。床下は、断熱エリア外として風通し良くしておかなければ、シロアリが上がりやすくなるという理解をしておく必要があります。

特に図のように基礎と土台の間をウレタン発砲することは、大変危険です。(参考HP「城東化学」)




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