スズカハウス(福山市)の住宅建築に関する 本音トーク
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家を建てることを決めると、いろんな情報があふれていることに気づきます。多くの業者は、専門的な言葉で、なんとなくいいイメージを抱かせようとあの手この手で、心をくすぐります。「外断熱」「杭」「地盤改良」「免震構造」など、何となくいい家になりそうな言葉を、並べ立てます。しかし、残念ながらその中には、いい加減な情報や間違った情報が、数多く見られます。 いい家を建てるためには、多くの情報や魅力的な言葉に踊らされることなく、自ら何が正しい情報なのかを勉強しなければなりません。なぜならば、一見よさそうな多くの話にも、誤った情報が沢山あるからです。 SUZUKAは、専門的なことをよりわかりやすくご説明し、より深い確信を持った情報をご提供しています。 建築に関する疑問点やご不安なことがありましたら、いつでもお気軽にご相談下さい。 |
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1. 土地を買うときには、こんなことも考えてみましょう ? (2006-2-15) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■土地は資産です。土地を買うということは、定期預金をするように、お金を土地に変えておくようなものであり、それゆえ、いざというときには、土地を売ることができるもののほうが価値があるといえます。ご家族に、予期せぬ事故、病気、失業など人生のピンチが訪れる可能性があります。その時、後から売れないような土地は、今いくら安くても、安心できる資産にはなっていないということです。 仮に、2500万円の南向きの四角な土地A50坪と、1000万円の北向きの変形土地B35坪があったとしましょう。予算的に無理だということで、土地Bをもし買ったとします。その上に、1500万円の家を建った後1年後に、事情があって売りたいと思っても、恐らく売れないか売れたとしても(買いたい人が少ないので)土地建物で500万円位にしかならないでしょう。すなわち、土地1000万円+建物1500万円合計2500万円が500万円の価値にしかならないわけですから、2000万円の損をするということになります。 一方、土地A(2500万円)に1500円の家を建っていた場合には、同じケースがおきた場合、恐らく3000万円以上で売れるでしょう。その土地がほしい人が多い場合には、そんなに値を下げなくても買い手はつくからです。つまり、4000万円-3000万円の1000万円のマイナスですむということです。 また、30年後、つまり家の価値がなくなってから売るとしても、土地Aは売れますが、土地Bは売れません。仮に、土地Aが値上がりするようないい場所であれば、2500万円が4000.万円で売れるかもしれません。 つまり、土地Aを買っておけば、土地を売った後、例えば老後にマンションが買いかえることができるかも知れませんが、土地Bを買っていたら、さらに借金をしてマンションを買わなければならないということになります。 土地の見方・選び方については、こちらをご参考にしてみてください。 |
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2. 戸建にするか?マンションにするか迷われている方へ (2006-2-15) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
どっちがいいのでしょうか?この質問は、よく耳にします。 昨今、新築のマンションは、2000万円の前半で買えるものもあるようです。20代・30代の若いご夫婦の場合には、@町内会などの付き合いが必要なく、近隣の気がねのない生活ができること。A生活に便利な場所で、都会的な生活ができること。B予算が比較的手ごろで、資金計画を立てやすいこと C鍵一つかければ外出できることなどの理由から、マンションを選ばれる方が増えているようです。 しかし、ちょっと待ってください。住宅を考える場合には、子どもができたり、自分たちが年をとっていく10年後・20年後・30年後のことを考える必要があるのではないでしょうか? 次のようなこともお考えになられてはいかがでしょうか? (1)子供の成長への影響を考えましょう。 子供が幼稚園・小学校に入ると、友達が家に遊びに来ます。戸建であれば、家の外に出て遊ぶこともできますが、マンションの場合には、子供が家の中でゲームなどして遊びがちになります。マンションの場合、子供が小さい場合には、エレベーターで一人で乗り降り出来ない(特に、上層階のボタンに手が届かない。)ことから、友達との交流がしにくく、子供たちの間で自由に遊ぶことが難しくなります。 また、戸建て持ち家の場合には、音や広さの問題をあまり考えずに、お友達を家に呼ぶことが出来て、自宅でも遊べるので自ずとお友達たちの中でのリーダーシップを取れるようになれます。ところが、アパートやマンションでは狭かったり不便だったり庭がないことから)友達の家に行くのが主となり、リーダーシップを取り難くなるという研究結果もあります。 (2)資産としての価値を考えましょう。 マンション価格は、建物部分と土地の持分部分の評価の合計です。戸建の場合には、土地の金額と建物の金額が半々位となりますが、マンションの場合には、土地の部分は10分の1以下となっています。10階建てであれば、同じ土地に上に10世帯が乗っかっているわけですから、一世帯あたりの価値は10分の1以下になるわけです。事実、固定資産の評価額を見ると、駅近辺のマンションでもその土地部分の評価金額は200万円以下となっています。しかも土地だけを売ることはできません。一方、戸建の場合には、家が古くなっても、土地だけは、価値があまり変わりませんから、土地だけを売ることができるのです。 例えば、@2500万円のマンションを取得する場合と、A3500万円(土地1500万円、建物2000万円)の戸建住宅を取得する場合を比べて見ましょう。 30年後を想定すると、@のマンションは、価値(市場で売れる金額)がほとんどゼロ(10年後でも1000万円ほどに急激に下がります。さらに、その30年の間にも、マンション修繕費として、何百万円も必要です。(積立8000円/月×30年=288万円プラス大規模修繕一時金数十万円が10年ごと) 戸建のAの場合には、建物の価値はほぼゼロとなっても、土地1500万円はそんなに変化なく、取得価格に近いかそれ以上で売れるのです。もちろん、土地を子供たちに残してあげることも出来ます。 つまり、土地は保持している限りは永遠に資産として残るのです。 (3) マンション資産は次世代のお荷物?? マンションは 30年後にはほとんど価値がなくなってしまうので、子どもに残す資産とはなりません。それどころか負担やデメリットがたくさん生じてきます。建て替えとなるとマンションの管理組合で住人が計画を立てて負担金を決めて建てかえることになりますが、問題は、その話し合いが大変難しくなるということです。なぜなら、価格が下がったときに安い金額で買って入ってくる(引っ越してくる)人が話し合いに入らないケースが多いからです。後から安い金額で入ってきた住人は、もともと建てかえるための負担に応じられるだけの経済力がない人が多いからです。15年以上経つといわゆる不良住人も増えていくので、住環境も急激に落ちていきます(現実、チンピラ風の人や働かない人が住み着いてガラが悪くなってしまっているマンションもあります。) |
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3. 地盤調査のSS試験って何? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地盤の強度が求められるのは、木造住宅よりもはるかに建物荷重が重い重量鉄骨造や擁壁を新設する場合です。その場合には、正確なデータが必要なので、はボーリング調査をして地盤の強度確認をします。しかし、ボーリング調査は、通常 30万円以上の費用が必要であるため、一般戸建て一般住宅の地盤調査では、スウェーデン式サウンディング試験(以下 SS試験という簡易地盤調査)を用いて、その結果をもとに算出した「換算N値」を利用した地盤の診断や地盤改良の設計が行われるのが通常です。 正式なボーリング調査(標準貫入試験)では、おもりの打撃により「N値」というものを算出しますが、SS試験(簡易試験)では荷重をかけたロッドをねじ込むことによって「貫入抵抗値」を求めます。SS試験では、「推測するN値」を試験結果から算出するというわけです。 SS試験から換算式によって「推定されたN値」は、換算N値といいます。地盤調査の実施にあたっては、N値を求めることだけではなく、地盤を構成する土が何で、どのような性質を持つのか、を調べることも大変重要です。戸建て向けのSS試験では、土を大きく「粘性土」と「砂質土」とに大別して、それぞれの換算N値を調べることによって土の判断の目安としています。
N値が3.0以下の層が設計GLよりどの深さにあり、その層の厚みがどのくらいかが自沈層を判断する一つの重要なポイントになります。
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4. 鋼管杭や地盤改良をすすめられますが、どのくらい効果があるのでしょうか? (2006-2-22) ページトップへ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この話をする前に、A.軟弱地盤対策の種類とB.地盤の特性をまずは知っておきましょう。 A.軟弱地盤対策の種類 不同沈下を招く軟弱地盤対策として単純に考えられることは、家を軽くする、基礎(ベース幅と強度)を強くする、硬い支持地盤まで杭を打つ、地盤を改良工事する、などがあります。これらを、地盤の軟弱度との関係でみてみると、、 @ 家を軽くする(鉄骨造やRC造を避け木造にするとか、軽い材料で,基礎底面を広くし単位面積あたりの荷重を小さくする。)→やや軟弱な地盤 A 基礎ベースを広げてダブル筋などで剛性を強くする(ベタ基礎にする。)→軟弱な地盤 B 硬い支持地盤へ杭を打つ(鋼管杭・PC杭など)→超軟弱地盤 C 地盤を改良工事する(表層改良・柱状改良工法)→軟弱地盤 となります。では、それぞれについてもう少し詳しく対策方法を見ていきましょう。 B..地盤による地盤対策 ◆やや軟弱な地盤対策 ○荷重を軽くする
◆軟弱な地盤対策 1.基礎の剛性を強くする 自分の土地が軟弱地盤だと判明した場合、もし沈下が起きたとしても沈下を均等化することで、被害を食い止める措置がとれます。それは基礎の剛性を強めるという方法を用います。剛性とは物質がどのくらいたわむかという性質のことで、同じ建材でもちょっと押してたわむものは剛性が小さく、その逆は剛性が大きいといいます。 2.ベタ碁礎で軟弱地盤に対処
◆超軟弱な地盤対策 1.地盤改良による対策 地盤そのものを変えずに基礎を安定させるためには、基礎のベース幅を広げたり、基礎の剛性を高め基礎を軟弱地盤用に仕様変更する方法がありますがこれらは軽度の軟弱地盤では有効でも、かなりひどい軟弱地盤では有効ではありません。 不同沈下を防ぐためには、建物の構造と地盤の強さ(地耐力)によって、基礎と基礎補強を選ぶ必要があります。
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木造 | 建築面積 15坪 延べ床面積 30坪の家は、 30〜40トンの重量 |
家の重さ (自重+積載荷重) |
軟弱地盤 (地盤が非常に悪い) |
地耐力3トン (地盤が悪い) |
地耐力4トン (地盤が普通) |
地耐力5トン以上 (地盤が良い) |
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1階建 | 地盤改良、杭基礎 | べた基礎 | 布基礎 | 布基礎 | |
2階建 | 約600kg./u | 地盤改良、杭基礎 | べた基礎 | 布基礎 | 布基礎 |
3階建 | 約900kg./u | 地盤改良、杭基礎 | べた基礎 | べた基礎 | 布基礎 |
鉄骨造 |
家の重さ (自重+積載荷重) |
軟弱地盤 (地盤が非常に悪い) |
地耐力3トン (地盤が悪い) |
地耐力4トン (地盤が普通) |
地耐力5トン以上 (地盤が良い) |
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1階建 | 地盤改良、杭基礎 | べた基礎 | 布基礎 | 布基礎 | |
2階建 | 800kg./u | 地盤改良、杭基礎 | 杭基礎 | べた基礎 | 布基礎 |
3階建 | PC杭基礎 | 杭基礎 | べた基礎 | べた基礎 |
鉄筋コンクリート造 |
家の重さ (自重+積載荷重) |
軟弱地盤 (地盤が非常に悪い) |
地耐力3トン (地盤が悪い) |
地耐力4トン (地盤が普通) |
地耐力5トン以上 (地盤が良い) |
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1階建 | 地盤改良、杭基礎 | 杭基礎 | べた基礎 | 布基礎 | |
2階建 | 3,200kg/m2 | PC杭基礎 | 杭基礎 | 杭基礎 | べた基礎 |
3階建 | PC杭基礎 | 杭基礎 | 杭基礎 | 杭基礎 |
※鉄筋コンクリート造3階建の場合、地耐力8トン以上であれば”べた基礎”、8トン以下ならば”杭基礎”となります。
<参考資料 2 家の重さ>
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(1)耐震性
@ 地震に強い木の家。
地震によって建物が受ける振動エネルギーは、建物の重さに比例して大きくなります。重いコンクリートや鉄骨構造の建物に比べると、軽い木材でできている木造住宅は、受ける地震エネルギーがそれだけ少ないわけです。
鉄やコンクリートは、一見、木よりも強そうですが、重さ当たりの強度(比強度)で比べると、木材は
引っ張り強度で 鉄の約3倍、コンクリートの23倍、
圧縮強度で 鉄の2倍、コンクリートの5倍、
曲げ強度で 鉄の16倍、コンクリートの400倍もの強さがあります。
日本のように地震の多い国では、軽くて強い『木の家』がむいているのです。
(2)耐火性
@ 燃えにくい木の家
木造は火に弱い。おそらく大多数の方が、そうお考えでしょう。
しかし、木はある程度の厚さがあれば表面が燃えることでできる灰化層によって、内部への酸素の
出入りが遮断され、燃え尽きるまでにかなりの時間がかかるのです。
火災実験で木材が燃える速度は、1分間に0.6〜0.8mm。30分燃え続けても1.8〜2.4cm。
両側から燃えたとして、3.6〜4.8cmしか燃えません。火炎は出ますが断面減少速度が遅く、
建物が倒壊するまでの時間が長いということです。命を守るには一番適しているわけです。
ですから、構造材を石膏ボードなど燃えにくい材質でおおって、防火対策をほどこせば驚くほど
高い耐火性能が得られるのです。木造ツーバイフォーは、まさに木造住宅の進化系だといえます。。
(3)快適性
@熱と湿度のコントロール
熱の伝わりやすさを示す値を、熱伝導率といいます。木材の熱伝導率は鉄の1/300、
コンクリートの1/10。他の構造材と比べて熱伝導率が低く、断熱性能にすぐれている点が大きな特長です。
また、木は湿度コントロール機能もそなえています。たとえば、両壁に木の無垢板を使用した8畳の洋室で
湿度を30%下げたとすると、木板から6リットル、1升ビン3本分もの水分が放出されるということが
いわれています。また、校倉造りの正倉院は、この機能によって大切な宝物を1200年にもわたって
守ってきました。このように木は、まさに天然のエアコン。私たちに快適な居住空間を提供してくれるのです。
木の特性には、ほかにも人のからだに良い機能が沢山あります。
まず、目に優しい機能です。反射光が強いとチカチカして目が疲れますが、木や畳の反射率は人間の目に
最適な50%〜60%。
また、木は適度の吸音作用で音の反響を防ぎ、耳にも優しい住居空間をつくります。
木造の和室が人々の心を和ませるのもこうした科学的データに裏付けられたものなのです。
さらに床材としての木は衝動をやわらかく受け止めるばかりか、床の冷えからくる疲れを防ぐ効果があります。
コンクリートやタイルの床で疲れを感じるのは、熱伝導率が木材の8〜10倍もあり、足の温度を著しく低下させるからです。
こうした木の持つやわらかさ、温かみ、うるおいが人々の心をとらえ、「木の家」に対する根強い人気となっているのです。
内部結露とは、壁の中(外壁と内壁の間)や床下などみえない部分で起こり、土台や柱を濡らして木材腐朽菌や白蟻の繁殖を招き、知らない間に、いつの間にか家を腐らせる危険をもつ大変恐ろしいものです。在来工法で、高断熱・高気密の家では、この内部結露が起こる可能性が非常に高いと考えられ、深刻な注意が必要です。
実際、木造住宅を解体すると、在来工法の大壁の中は、木材が腐っていたり、黒いカビが繁殖していたり、シロアリが木を食べていたりして、構造的に非常に危ない状態のものがあります。
この内部結露は、室内で生活(人の呼吸や料理・燃焼系の暖房など)から発生したものが、隙間などから壁の中に入ってきて結露となったものだと考えられます。高断熱・高気密といっても、在来工法では、隙間が完全に防げませんので、施工レベルが低いと壁の中が大変なことになっている可能性があるのです。
壁の中の結露対策としては、「外壁の通気工法」と「外断熱工法」の二つの工法が防露対策とされていますが、実は以下の通りの理由から不完全だといえます。
図1は昔の住宅(20年以上前)一般的に施工されてきたものですが、壁の中にただ断熱材を入れてあるだけものです。室内の水蒸気は、内壁下地の石膏ボード壁の隙間や床板の隙間から壁の中に侵入して断熱材を透過し、防水紙にぶつかって行き詰まりますが、そこで冷やされて結露します。よく解体現場で壁の中のグラスウールの断熱材が黒く汚れているのを目にすることがあると思います。断熱材にカビが繁殖している状況で、行き場を失った水蒸気が結露を起こしていたことを示しています。特に、繊維綿状の断熱材であるグラスウールなどでは、繊維の中に水蒸気を溜め込み湿気が蒸発しにくいので、問題は長期的に継続することとなります。
この結露対策として指導されている通気工法は図2のように、室内の水蒸気を壁に侵入させないための防湿層をもち、それでも、僅かな穴(コンセント周りやシートの重ね部分)から侵入した水蒸気を、外壁と断熱材の間につくられた通気層から放出してしまう構造のことです。通気層には外気が流れており、水蒸気は結露する前に通気層に放湿されていきます。通気層と断熱材の間にあるのが防風層というもので、風も入れず、雨も入れませんが、水蒸気だけは透過させるものです。このように、通気工法というのは防湿層・断熱材・防風層・通気層といった具合に、湿気に対して、外側にいくほど開放する、という防露理論を実践したものです。
しかし、この通気工法にも一つ落とし穴があります。通気工法は室内から外にいくほど開放という防露理論にのっとっていますが、それは冬の場合の水蒸気の流れに対してであって、もちろん、室内でクーラーを運転した場合に限定されますが、近頃では24時間空調という住宅が増えてきたので、そんな環境があり得るのです。夏の外気はたっぷり水蒸気をもっており、その水蒸気が外から内に向かって防風層から断熱材を自由に透過し、冷えた防湿層のところで行き詰まります(図3)。
冷房の度合いによりますが、冷え方が大きければ結露しますし、そうでなくても壁の中の湿度は高くなります。こうした現象を「逆転結露現象」と呼んでいます。この逆転結露現象はあくまで冷房を運転した時だけの問題であり、冬のように常に危険な状態に比べれば頻度はずっと少ないのですが、木材腐朽菌は10℃以上になると活動を始めるので、夏場の高湿度状態の危険性は冬場よりも高いために、逆転現象をそう簡単に無視するわけにはいかないのです。
最近の研究で分かってきたことは、水蒸気の発生源は外気以外にも、在来軸組工法では柱や胴縁の木の中から出る水蒸気によるもので、日中に日射を受けた壁が暖まることによってそうした木材から水蒸気が放出される「蒸し返し」現象が起こるというわけです。つまり、木材自体が持っている湿気も日中の熱で壁の中に放出され、壁の中を高湿度にします。
一方、ツーバイフォーの場合には、構造材がすべて乾燥材(含水率19%以下)なので、水蒸気もほとんどでません。
さて、そうした逆転現象も含めて、内部結露を防止するもう一つの構造が外断熱工法です(図4)。構造材の外側に発泡プラスチック系の断熱材を入れるというものですが、この問題点は、その外の外壁材の取付金具が長くなり、支点にかかる力が大きくなるので、外壁材が動いてしまう(長期的には、自重で外壁材が下がってくる)ということです。したがって、単なる外断熱工法にすると、長期的に心配しなければならなくなるわけです。そこで、外部の断熱と外壁を一体化できるものとして、ALC材が最適だといえるわけです。
結論: 以上の状況から、日本のように、夏と冬で環境が逆転する内部結露を防ぐためには、壁の内側と外側それぞれに断熱が必要であり、特に内部の断熱材には、室内の湿気を壁内部に入れないしくみが必要だと言うことがわかります。そして、外壁にALCを使用することによって、外断熱にもなり、夏に室内のクーラーによって生じる逆転結露を抑えることもできるということになります。
(説明) 図のようにシロアリが上がってくる場合があります。 特に外断熱工法などで床下が暖かい場合には、施工の良し悪しで思わぬシロアリ被害を受けてしまう可能性が高まります。床下は、断熱エリア外として風通し良くしておかなければ、シロアリが上がりやすくなるという理解をしておく必要があります。 特に図のように基礎と土台の間をウレタン発砲することは、大変危険です。(参考HP「城東化学」) |